本研究では、2019年8月に新たに発見され、高い超伝導転移温度が期待される無限層構造RENiO2の歪制御および超伝導特性についての研究を行った。BaySr1-yTiO3のBaおよびSrの組成比を制御することにより、格子定数の精密制御に成功した。BaySr1-yTiO3をバッファ層として用いることにより、無限層への歪印加が可能であることがわかった。Trifluoroacetates-Metal Organic Deposition (TFA-MOD)法を用いて無限層の作製を試み、TFA-MOD法で初めて無限層のエピタキシャル成長に成功した。これらの歪印加技術と無限層のエピタキシャル成長技術を融合することにより、無限層の超伝導特性に大きな影響を与える歪の影響を明らかにし、超伝導特性の向上が期待される。
|