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2020 年度 実施状況報告書

鋼橋の進行性破壊が生じる超大歪領域での鋼材の新しい材料構成則の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K14817
研究機関岐阜工業高等専門学校

研究代表者

水野 剛規  岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90585093)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード大ひずみ領域 / 材料構成則 / 延性き裂 / 相当塑性ひずみ
研究実績の概要

鋼橋の大規模崩壊へと進展する可能性がある接合部の部材破断は,通常,塑性ひずみの集中により発生した延性き裂を起点として生じる.このような延性き裂発生を予測するには,き裂発生時にひずみ集中部に生じる非常に大きな塑性ひずみの履歴や応力場をFE解析により正確に解析し,これらを指標として判定しなければならない.このためには大ひずみ領域までのひずみ応答を適切に表現できる繰り返しを含む材料構成則を用いることが重要である.そこで,まず,大ひずみ領域までのひずみ応答を適切に表現できる繰り返しを含む材料構成則として,繰り返し材料挙動を高精度に表現できる材料構成則として開発された3曲面モデルの適用性を鋼トラス橋の大規模崩壊を再現した数値解析モデルで確認した.さらに基部に大きな相当塑性ひずみが生じるCFT柱を対象に相当塑性ひずみが150%~200%の大ひずみ領域における3曲面モデルの挙動特性を確認した.これらの検討により,大ひずみ領域における3曲面モデルの適用性を確認した.これと並行して,材料試験片の繰り返し曲げ載荷試験による大ひずみ領域のひずみ応答の計測と材料構成則のパラメータキャリブレーションを目的として,材料試験片に大きな相当塑性ひずみまで安定した繰り返し載荷を可能とする両振りの繰り返し曲げ試験の検討を進めた.材料試験片の繰り返し載荷を可能とする載荷装置の製作とともに,ひずみ計測として大ひずみとその分布の把握が可能なデジタル画像相関法による計測を検討した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

繰り返し材料挙動を高精度に表現できる材料構成則として開発された3曲面モデルの大ひずみ領域における適用性を鋼トラス橋の大規模崩壊を再現した数値解析モデルで確認した.さらにCFT柱を対象に相当塑性ひずみが150%~200%の大ひずみ領域における3曲面モデルの挙動特性を確認した.
また,延性き裂を発生させる実験として,材料試験片の両振りの繰り返し曲げ試験の検討を実施した.このために,大きな曲げひずみ領域まで安定した繰り返し載荷を可能とする載荷装置を製作し,繰り返し材料試験機に組み込んだ.試作した曲げ試験装置により繰り返し曲げ試験を実施することは可能となったが,ひずみ計測のためのデジタル画像相関法によるカメラの撮影において,カメラの撮影範囲に載荷装置が一部干渉したため,現在載荷装置の改良を行っている.また,繰り返し曲げ試験を再現した数値解析モデルに3曲面モデルを導入して,目的とする相当塑性ひずみ150%~200%領域における鋼材のひずみ応答を確認した.

今後の研究の推進方策

改良した曲げ試験装置をもとに,材料試験片の両振りの繰り返し曲げ試験を実施し,デジタル画像相関法により相当塑性ひずみが100%を超える大ひずみ領域におけるひずみ振幅を計測するとともに,FE解析に用いる材料構成則のパラメータキャリブレーションを実施する.さらに,材料構成則の大ひずみ領域に対応した改良とともに,延性き裂発生までのひずみ予測モデルの精度検証を目的として,延性き裂発生までの接合部材のひずみ応答の解析において実際に適用可能であるか,接合部材の実験供試体の繰り返し載荷時実験を実施して検証する.

次年度使用額が生じた理由

研究全体としては順調に推移しているが,次年度使用額が生じた理由として,大ひずみ領域における3曲面モデルの挙動特性の把握を目的とした検討を並行して進めながら,材料試験片の両振りの繰り返し曲げ試験の検討を進めたためである.繰り越し分は,改良した載荷装置の製作や計測機器等に充てる予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] ケーブル式崩壊防止装置の上路式トラス橋への適用性に関する検討2021

    • 著者名/発表者名
      後藤芳顯,水野剛規,王慶云,鈴木森晶
    • 雑誌名

      土木学会論文集A1

      巻: 77 ページ: 73-92

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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