2022年度においては、不飽和土および膨潤性鉱物の概念を導入した弾塑性構成則SYS Cam-clay modelを用いて、乾湿繰返し圧縮試験の再現を実施した。得られた構成則を用いてある程度、圧縮試験を再現することができた。圧縮試験中のパラメータの変化から、乾湿繰返しにより塑性変形が進展していくことで、構造が徐々に崩壊していく。 2021年度の成果で乾湿繰返しを受けることにより、徐々に強度が低下してゆくことが明らかになったが、これは乾湿を与えることによるサクションの変化に起因する、応力の変化がもたらす。盛土内においても、降雨により地下水位が変化していくことで、同様の減少が起きていることが考えられる。
また、2021年度に実施した泥岩盛土安定性の向上方法である、置換押え盛土工法に関して数値解析によりその効果をさらに検証を進めた。押え盛土の幅を大きくするよりも高さを大きくした方がより効果的であることが示された。その耐震性向上の理由としては、応力比の低下や平均有効応力の上昇、地震中における過圧密比の増加などが挙げられたが、この効果がおよぶ範囲が、押え盛土を高くした方がその範囲が広くなっていくためである。
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