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本研究では，粒子単位の作用力状態を発光強度で表す応力発光粒子と屈折率整合法による透明な地盤によって有効応力の推移をミクロスケールな粒子単位で可視化することで，力を伝える粒子骨格構造のダイナミクスから地盤の不安定化を解明することを目的としている．
令和３年度では，令和２年度に実施した屈折率整合法による溶融石英製粒子を用いた透明な地盤と応力発光粒子を用いた供試体奥行中央断面の作用力分布が観察可能な供試体への載荷実験について，供試体に鉛直上向き浸透流を与えることで有効応力を低下させた状態の地盤模型に杭模型貫入による載荷を行い，その発光挙動から粒子単位の有効応力の挙動を可視化して検討した．また，撮影にあたっては，応力発光を観察するカメラに加えて，変位場を観察するカメラを設置して１つの実験で応力場と変位場を同時に計測した．有効応力が低下した地盤への載荷においては，杭模型に生じる貫入抵抗が有効応力の低下度合に応じて減少することを確認するとともに，撮影画像を解析することで，杭模型下端に局所的に発光が集中する点は共通するが，その発光範囲とその強度は有効応力の低下度合に応じて縮小・低下することを確認した．本検討により，不安定化した地盤における貫入抵抗の低下メカニズムについて，応力発光粒子を用いてミクロスケールな粒子単位の有効応力伝達過程から可視化することで，有効応力分布の推移過程から検討できることを示した．
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