本研究では塩素、過酢酸、過ギ酸を用いた簡易消毒による薬剤耐性遺伝子(ARGs)不活化効果の評価を目的として、モデルARGにアンピシリン(Amp)耐性遺伝子をコードしたプラスミドpUC19を用い、その簡易消毒処理による物理的破壊の可能性をPCRで検証するとともに、大腸菌への形質転換効率を求めることでARGsの不活化効果を比較・評価した。 遊離塩素は、1ppmの濃度でも時間依存性の高い消毒効果を示した。PAAおよびPFAの場合、不活化効率は初期濃度とともに増加し、時間依存性はほとんど無視できた。 pUC19プラスミドへの物理的損傷が主要な不活化メカニズムであった。
|