研究課題
嫌気性消化におけるバイオガスの増産と下水汚泥処理プロセスにおけるエネルギー自給率をともに最大化させる熱処理条件を明らかにするために、令和2年度には下水汚泥に熱処理を行ったケースについて、令和3年度は消化槽に食品系廃棄物を受け入れるケースについて検討を行った結果、バイオガスコジェネレーションと熱処理技術を融合した低炭素社会に向けた合理的な下水汚泥処理システムの設計に資する以下の研究成果が得られた。1.各種下水汚泥に様々な条件の熱処理を行った結果、下水汚泥の種類により可溶化効果とバイオガス生成ポテンシャルへの影響が異なることが明らかとなった。(令和2年度)2.熱処理による食品系廃棄物の可溶化効果とバイオガス生成ポテンシャルの実験的検討を行った結果、熱処理によりバイオガス生成ポテンシャルは減少または無処理に比べてほとんど増加しないという結果が得られ、食品系廃棄物への熱処理はバイオガス増産にほとんど効果がないことが示された。(令和3年度)3.バイオガスコジェネレーション施設が稼働しているS浄化センターの汚泥処理プロセスにおけるバイオガス生成量、発電量、排熱発生量などについて調査を行った結果、投入汚泥1m3当たりのバイオガス生成量は19.3m3と安定しており、生産されたバイオガスの詳細な使用割合および余剰燃焼の割合、電力自給率を把握するとともに、排熱利用効率の試算を行った。(令和2~3年度)4.バイオガス発電排熱を活用した下水汚泥処理システムのエネルギー効率のケーススタディを行った結果、標準活性汚泥法では、余剰汚泥を70℃で、または余剰汚泥と消化汚泥を50℃で熱処理を行うケースで発電量が大きくなることが明らかとなった。(令和2年度)5.LIME2による環境影響評価を行った結果、発電と熱処理の導入により地球温暖化への影響は最大12.4%低減可能であることが明らかとなった。(令和3年度)
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Journal of Cleaner Production
巻: 355 ページ: 131831~131831
10.1016/j.jclepro.2022.131831
Science of The Total Environment
巻: 775 ページ: 145799~145799
10.1016/j.scitotenv.2021.145799