はじめに,アンボンドプレストレストコンクリート梁の部材端に取り付けることができる小型の制振要素である座屈拘束ブレースを開発した。このブレースは,異形鉄筋の節断面での断面積と節間断面での断面積の差を利用しており,質量10kg程度で所定の耐力付加,および減衰性能を有する。梁部材に取り付けた実験では,アンボンドプレストレストコンクリート特有の細い復元力特性と,それに起因する低いエネルギ吸収能力は向上し,部材角1/100で耐力は1.25倍,エネルギ吸収能力は2倍になることを確認した。さらに,損傷した梁の継続使用のための補修・補強方法の提案も行い,その効果も確認した。
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