本研究は、土壌の均一でない熱物性、極めて細長な地中熱交換器を施工する過程で発生する不確実性に焦点を当て、地中熱交換器の熱性能不確実性をモンテカルロシミュレーションを通じて分析した。 地中熱交換器の性能を示すボアホール熱抵抗は、0.14~0.29 mK/Wの非常に広い範囲で変化することを確認した。 そして、地中熱交換器を構成するグラウトの熱物性を推定するとともに、推定値の不確実性を評価するために、ベイズ統計に基づく確率論的な推定法を開発した。これにより、推定された物性値がどの程度信頼できるかについての判断が可能になるため、既存の決定論的推定法に比べより合理的な推定法であることを確認した。
|