本研究では気生藻類の温度と水分に関する生育・死滅条件を明確にし、高温暴露という新しい観点からの藻類抑制手法の提案を目的とする。0℃から50℃の温度域において、液水の供給頻度を変更し培養実験を行い、クロロフィル蛍光測定を用いて藻類の増殖の程度を調査した。また、湿潤状態の藻類を高温に暴露し、その死滅率の測定を行なった。これらの実験結果を用い、藻類の増殖・死滅予測モデルを改良し、室内・屋外環境条件から外壁表面での藻類の発生程度を予測する計算モデルを作成した。さらに、日本国内のいくつかの気候区において、異なる断熱性能を持つ住宅外壁を想定し、外壁表面での藻類の発生可能性について評価した。
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