研究課題/領域番号 |
20K14887
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
兪 ハニ 東京電機大学, 未来科学部, 助教 (40796108)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | バイオフィリックデザイン / 自然風景画像 / 休憩空間 / 季節 / 心理評価 / 建築環境 |
研究実績の概要 |
休憩空間は、仕事や学習で疲れた時、心身を回復するために必要あり、重要な空間である。また、休憩空間をよりリラックスできるような空間にするため、心理的・身体的に安定と関係がある自然に着目した。既往研究によると、森林浴風景を見ることによって生体が実質的にリラックスすることが認められている。また、季節を感じるものは、主に植物や農作物の成長の様子や季節ごとに違う種類が見られることである。 令和2年度の研究では、自然風景画像を利用して快適な休憩空間をつくるための基礎的な研究の一環として、季節を感じる自然の要素と具体的な画像の条件を探り、季節を感じる自然風景画像と色調の関係性を探ることを目的として、調査や実験を行った。その結果、以下の知見が得られた。 画像内のモノの様子や色から季節を感じやすく、植物などが最盛期の状態であると、よりその季節を感じられる。春と秋は同じような傾向が見られ、彩度と明度ともに高すぎない画像により季節を感じられ、休憩空間も同様の傾向の画像がふさわしいと評価された。夏は、彩度が高い画像により夏を感じるが、休憩空間は、高すぎない画像がふさわしいと評価された。冬は、彩度が低く、明度が高い画像により冬を感じやすく、休憩空間にふさわしいとされる画像は違う傾向にあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナにより、研究計画書で計画された長時間密閉空間での密接な接触が必要な身体の生理測定(脳波測定など)の実験は、実施することができなかった。代わりに心理量を中心とした被験者実験を実施した。その結果、心理測定だけで快適な休憩空間を創出するための季節感を感じられる自然風景画像の特徴を確認することができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は、令和2年度に確認した研究結果に踏まえ、四季節ことの実験を行う予定である。また、令和2年度の実験は、オンライン実験であったため、今年は、実験室実験を行いオンライン実験の結果が実験室実験の結果にも適応可能か確認する。また、コロナ状況や被験者の安全対策に気をつけながら、柔軟に調査や実験を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナにより、実験室実験が難しい状況であったので、実験に必要な機器を購入することが出来なかった。 今年は、コロナの状況によるが、できれば実験室実験を行う予定であるため、令和2年度に計画した物品(実験機器)を購入する予定である。
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