研究課題
本研究は,人中心の都市空間再配分に向けた都市ネットワークの設計・評価手法の開発を目的としている.特に街路空間再配分や駐車場の再配置施策に着目し,既存交通に及ぼす影響を明示的に考慮した最適な配置政策を導くことを目指している.本年度はまず,街路空間再配分による生み出される正の効果を評価可能な歩行者経路選択モデルの開発を行った.具体的には,プリズム制約による経路集合の限定を行うことで,明示的な経路列挙をしないまま正の変数効果の計量を可能にした.本モデルを,2021年度までに開発した交通量配分モデルと統合することで,空間再配分がもたらす歩行者への正の効果と,自動車への負の効果を同時に考慮可能なマルチモーダル交通量配分モデルを構築した.さらに,マルチモーダル交通量配分モデルによる歩行者・自動車交通量予測を下敷きに,ネットワーク内への歩行者エリアの最適配置モデルを開発した.解法として,昨年度まで用いていた焼きなまし法を改良したAdaptive Large Neighborhood Search (ALNS) の適用を行い,より現実的な歩行者エリアの形成を可能とした.さらに,川越市街地ネットワークを対象に本モデルのケーススタディを行った.交通への影響や,環境負荷削減,観光歩行者交通流と自動車との錯綜 (安全上の課題) など,様々な異なる政策目標に対してそれぞれ最適な歩行者エリアの配置パターンを導いた.これにより,政策目標に応じた都市空間マネジメントのあり方を議論可能となった.
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件)
Transportation Research Part C: Emerging Technologies
巻: 147 ページ: 104014~104014
10.1016/j.trc.2023.104014
Travel Behaviour and Society
巻: 30 ページ: 344~357
10.1016/j.tbs.2022.10.010
Journal of the City Planning Institute of Japan
巻: 57 ページ: 622~629
10.11361/journalcpij.57.622
巻: 57 ページ: 666~673
10.11361/journalcpij.57.666
巻: 57 ページ: 1025~1032
10.11361/journalcpij.57.1025