研究課題/領域番号 |
20K14907
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
宋 俊煥 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (00725244)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 低未利用地 / 空地活用 / コミュニティーガーデン / パークマネジメント / 仮設 / 公共空間 / キッチンカー / エリアマネジメント |
研究実績の概要 |
本研究は、道路・公開空地・公園・空地等の低未利用地を対象とし、市街地の都市構造を考慮した効果的な低未利用地の活用及び運用手法を解明することを目的としている。2021年度の研究(2年目)では、道路及び公園・空地等の低未利用地を対象に、空間利活用と共に、それによる地域再生手法を地域主体の関わり方やプロセスの側面から調査・レビューを行った。 (1)道路空間や空地に関しては、近年低未利用地の仮説的利用に有効なツールとして活用されているキッチンカーに着目し、国内移動販売の変遷を整理すると共に、山口県内のキッチンカー事業者に対するヒアリング調査及びアンケート調査を行い、事業者の運用実態と、県内でのキッチンカーの移動状況を把握した。 (2)公園に関しては、初年度の研究の引き続きで、27Park-PFI事例群の中で、緑地維持管理手法の異なる5つの事例を選定し、現地調査を実施することで、類型別の特徴と課題を明らかにした。また、東京氷川台農園を対象にまちづくりの持続性の観点から「農」をテーマとしたコミュニティーガーデンの有効性と課題を整理した。 (3)低未利用地の活用による拠点整備とリノベーション事業による地域再生について、長門湯本温泉街の地域再生に着目し、地域主体によるマネジメントの特徴を整理するとともに、専門家集団と地元住民のプロジェクトへの関わり方の変化からみる地域再生プロセスの特徴と空間デザイン・マネジメント手法を整理した。 (4)COVID-19の状況に合わせて、一般市民の低未利用地等の屋外空間の利用動向に関して、Webアンケート調査を行い、その特徴を整理した。 上記の(1)・(2)・(3)・(4)の研究成果として、査読付き論文掲載を1件、国際会議Proceedingの発表を2件、学会等の発表を3件行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内における調査に関しては、新型コロナウイルス感染状況を把握しながら移動し、現地調査やヒアリング調査をすることができたため、一定の成果を達することができた。しかし、予定していた海外の低未利用地の調査については、未だ現地調査ができておらず、進められていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度に関しては、COVID-19の状況をみながら、海外調査を行う予定である。また、2021年度調査実施した研究成果(コミュニティーガーデン・Park-PFI事例)を基に、学術論文の投稿に向けて論文作成を行う。また、2021年度調査を実施したキッチンカーにおける低未利用地の活用特性を踏まえ、2022年度には、①定期的と②一時的に行われるキッチンカーの低未利用地の占用行為について、網羅的に調査を行い、立地状況及び空間特性によるキッチンカーの配置及び運用特徴を明らかにし、地方都市の低未利用地活用における運用ツールとしてのキッチンカーの役割と課題を整理する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の状況により、予定していた海外調査が大幅遅れている。次年度には、COVID-19の感染状況を把握しながら、海外調査を実施する予定である。
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