研究課題/領域番号 |
20K14907
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
宋 俊煥 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (00725244)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 低未利用地 / 地域再生 / 仮設空間 / 山口県 / エリアマネジメント / 都市公園 / プレイスメイキング |
研究実績の概要 |
低未利用地の活用及びコントロール手法に関する研究として、下記の3つの研究を実施した。第1に、国として低未利用地の活用関連制度が整備されている中、屋外空間の多様な活用手法が求められており、その一つの手法として移動販売及びキッチンカーに着目した。人口減少などの問題が著しい山口県を対象とし、土地利用や空間整備が起こりにくい環境にある都市における移動販売及びキッチンカーの運用実態と、キッチンカーと親和性の高い低未利用地の立地的特性や活用手法、キッチンカーの運営手法を明らかにした。第2に、エネルギー需要の変化と共に、廃業が進んでいるガソリンスタンドに着目し、立地特性、建物形態、交通量、運営形態等による廃業要因を抽出し、廃業しやすい環境にある敷地特性を明らかにすると共に、廃業後の土地活用についての知見を整理した。第3に、人間の意識変化における低未利用地がもたらす役割について研究を行った。高校生を対象に地域の誇りと思っている要素とシビックプライドとの関係、シビックプライドの度合いと定住意識との関係を明らかにした。その結果として、都市公園は、高校生における地域の誇りと思う要素として認知されやすく、また、シビックプライドの形成にも良い影響を与えると共に、将来の定住意識にも多く影響していることが明らかとなり、地域の低未利用地である公園的な空間の高質化とマネジメントは、今後定住意識の変化に重要であることが示された。また、低未利用地の立地特性による住宅開発動向を把握した。モスクを中心に区画整理事業を行っている、サウディアラビアのJeddah市の歴史・文化的な特性を踏まえ、約10年間の低未利用地開発動向を収集し、低未利用地の形態、モスクや公園、小学校との位置関係、道路率等からみた開発特性を明らかにし、開発が起こりやすい適正な敷地規模や形態、開発が進んでいないエリアに関する課題を提示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国内研究に関しては、一定の成果を出しているものの、COVID-19の影響等により海外研究における現地調査が未だ進んでいない状況である。本研究を1年間延長させる予定をしており、来年度には、ドイツのハンブルク市(人口180万人)やフレンスブルク市(人口9万人)の低未利用地に関わる都市政策や効果的なコントロール手法について調査を行う。
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今後の研究の推進方策 |
2021年と及び2020年度の国内研究の調査結果(キッチンカーを用いた低未利用地の活用手法、ガソリンスタンドの廃業要因と今後の活用方法)を基に、学術論文(査読付き)に向けて論文作成を行う。また、2022年度実施できなかった海外現地調査を行い、これまでの研究成果と合わせ、様々な低未利用地における効果的なコントロール手法として、①都市構造・空間構成の観点、②空間利活用手法の観点、③土地管理運営手法の観点で評価と課題をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により実施できなかった海外調査において、海外の調査計画を立てており、次年度は、海外調査に必要とする旅費・通訳費用・文献購入費と、これまでの研究成果の発表等にかかる論文投稿費及び大会参加費・旅費等を執行する予定である。
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