研究課題/領域番号 |
20K14908
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
鈴木 達也 香川大学, 創造工学部, 助教 (30786281)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | コンパクトシティ / 最適配置 / 市町村境界 / 都市圏 |
研究実績の概要 |
本研究では、全国で進められている立地適正化計画、特にコンパクト+ネットワークの観点から、地域の拠点配置を研究対象としている。これは、拠点の配置と数を計画する根拠となる指標の導出を目的とした研究である。これにより拠点の配置及び、拠点間を効率的に結ぶネットワークの最適化を行い、それぞれの拠点が有機的に連携する広域での公的サービス供給の可能性を探る。 拠点の配置に関しては施設配置研究から多くの既往モデルが存在するが、複数の拠点を設定した際に都市機能をどのように配分するか、どのように分担するかといった拠点同士の関係性を考慮した配置モデルでは、移動コストをどのように定義するかが肝要となる。2年目に当たる本年度は以下の実績が挙げられる。 1年目では、本研究の根幹となる拠点配置の基礎モデルの構築については、約500m四方の格子上に集計された人口分布を基にしたアクセシビリティによる最適化アルゴリズムを構築中であったが、本年度は多くの人が集まりやすい拠点には多くの都市機能が集積することを前提として、拠点の訪問頻度にヒエラルキーのある状態での拠点間移動コストを組み込んだモデルを構築した。これについて、ケーススタディとして、香川県の市町村を対象に計算を進めており、最適化アルゴリズムの計算時間と精度の検証を行い、研究発表を予定している。さらに、計算規模を拡大し、都道府県内での自治体境界と拠点配置モデルによる都市圏と比較を行いつつ、広域でのコンパクトシティ化の効果について研究を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はコロナ禍により成果発表や関連分野の研究者との意見交換などの機会が少なくなったが、ケーススタディとなる研究について学会発表が決まっており、計算規模の拡大と計算プログラムについての目途が概ね立っており、予定通り論文投稿の準備が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度にあたる令和3年度には、計画2年目までに行ったケーススタディの結果を整理しつつ、論文投稿を予定している。香川県を対象とし、日常生活圏を想定した拠点配置と都市域を想定した広域での拠点群配置を導出し、現在の市町村境界、公的施設配置との比較と検証を行う。また、人口分布と公的施設配置からみた多極型コンパクトシティの評価指標について考察する。 以上の一連の研究から得られた成果については、随時、論文として投稿、学会での発表を行い成果の公開に努めるとともに、最新の研究動向、現在進められている立地適正化計画の進捗などの調査を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度、コロナ禍により想定していた学会参加等が行えなかった。これに関しては、本年度の作業を次年度の基盤となるデータ整理と準備を中心とすることで、研究の進捗に影響はなかった。本年度の未使用額については、本年度の研究成果を論文化すること、学会発表による成果公表を行うことで使用する予定である。
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