研究課題/領域番号 |
20K14915
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
前島 彩子 明海大学, 不動産学部, 准教授 (00732885)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 鉄筋コンクリート造 / 構法史 / 集合住宅 / 区分所有法 / アフリカ都市 |
研究実績の概要 |
本研究では、1960年代に建てられたアフリカ都市の鉄筋コンクリート造集合住宅を対象に、集合住宅に係る近代技術として、構法と区分所有法に着目し、同時代の西欧の状況と照合することで、近代技術の伝播の系譜を明らかにする。2020年度は、構法仕様の把握を中心に以下3点に取り組んだ。 具体的な調査対象を、ダカールのRondpoint住宅団地に絞り、構造図を用いて構法仕様の整理に取り組んだ。まず意匠図、設備図等を含む約130枚の図面から構造図を抜き出し、図面リストとして整理した。構造図からは、構法仕様に加えて、作図日付、エンジニアの氏名を把握することができた。 Rondpointの住宅供給主体SICAPに関する、欧州大学機関による調査報告資料を分析し、開発背景や住棟や建築計画の思想を確認することにより、本研究で扱う調査対象への欧州における関心と本研究の位置付けを整理した。 フランス領西アフリカにおいてフランスが実施した都市開発と住宅開発をまとめた冊子資料を分析し、当時フランス領西アフリカで取り組まれた建築技術移転プロジェクトの全体像と、その中における調査地ダカールの位置づけを整理した。 以上より、対象地プロジェクトの位置づけをより明確にできたことで、今後の比較研究への道筋を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
感染症の影響から、当初予定していた欧州での資料収集が実施できなかったことと研究時間を十分に確保することが困難だったため。
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今後の研究の推進方策 |
既存の図面資料を最大限に活用し、3Dモデル化等によるデータベース化を行うことで意見交換しやすい状態に整理することを先行する。 国外資料の収集については、当初予定していた現地での的を絞った収集を断念し、やや広範であっても国内から取り寄せる方法を主なかたちとして取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
国外での資料収集を予定していたが感染症の影響で渡航できなかったこと、年度末の渡航の可能性に期待し他の使途への振り替えができなかったため。 2021年度は、資料を広範に・国内から取り寄せて収集する計画である。また、保有している資料の分析・整理を先行し、そのための作業謝金として使用する計画である。
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