4年目にあたる2023年度は、2022年度に分析を行ったアンケート調査結果について、協力先施設へ報告を行った。災害用備蓄において、災害用トイレ(大人用トイレ)など保育士用の備蓄が少ない傾向にあったが、そもそも保育施設内に大人用トイレが不足している傾向も伺えた。こうした結果をもとに、追加アンケートとして、施設の保育士が利用するスペースや管理スペースの充実度などについて伺った。結果として、保育室の広さについては6割以上が適切と回答している一方、事務室や職員のスペースなど管理スペースに関しては約半数が狭いと感じていることが分かった。こうした背景もあり、災害用備蓄の保管スペースの確保も困難であると回答した施設もあった。アンケートの分析終了後、結果を調査協力先施設へ報告した。 また、国際学会に参加し、施設だけでなく、施設周辺全体で行う災害への備えに関する研究について学び、また、水害被害の多い地域における街全体での対策について調査を行った。施設独自での災害対策も重要であるが、広範囲で水害被害が懸念される地域等においては、街全体での対策がより重要となることが分かった。また、災害対策の一環として行った感染症対策に関する調査結果をまとめ、国際学会にて発表を行った。 現在、2021年度に行ったアンケート調査・インタビュー調査の結果をもとに論文を執筆中である。また、2023年度に行った子ども施設の管理スペースに関する調査につてもまとめを行っており、2024年度中に学会にて発表を予定している。
|