研究課題/領域番号 |
20K14918
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
森田 椋也 徳島大学, 人と地域共創センター, 講師 (60801272)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 神社 / 外部支援者 / 地域活動 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、第一に、我が国における神社を介した非居住者による地域活動の展開状況の把握、第二に、神社を介した非居住者による地域活動の展開過程の可視化、第三に、神社を介した非居住者による地域活動の促進要因の解明である。 2020年度は、第一段階となる「我が国における神社を介した非居住者による地域活動の展開状況の把握」について、神社業界に関連する専門紙である『神社新報』を中心とした文献調査、ウェブ調査を通じて概況の把握を進めた。 日本全国で開催される神社仏閣の祭事にボランティアとして人材を送り出すプラットフォームが2020年に公表されるなど、神社を介した非居住者による地域活動のきっかけを創出しうる動向を確認した。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、地域外からの非居住者の訪問、ならびに受け入れ先神社・地域での非居住者の受け入れの双方が困難な状況となっていることから、具体的な事例について調査を十分に行なうことはかなわなかった。 2021年度以降も新型コロナウイルスの影響が終熄しない場合は、全国各地の事例を直に調査する形態ではない研究方法に移行することも視野に入れつつ、情報収集・整理を進めていく。 なお、本研究の副次的な成果として、非居住者の往来による地域社会の変容過程をとらえた研究で都市計画論文集(査読付きの学術誌)に掲載されるなど、査読付き論文1本、学会発表1件を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述のように、2020年度は新型コロナウイルスによる活動自粛が続いており、多人数が集まる神社での祭典が中止となったり、例年とは異なる形態での実施となるなど、本研究の対象となりうる地域活動の実態を調査・把握するのが難しい状況にあった。 このため、本研究は目的の第一段階の途中にあり、当初の計画よりもやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
当面のwithコロナの状況において、本研究のテーマである「神社を介した非居住者による地域活動」が、調査の結果得られるであろう従前の展開過程に沿って展開しうるのかどうかについては、引き続き研究を進めながら考量する必要がある。 2021年度も新型コロナウイルスの影響が終熄しない場合は、先述の通り、全国各地の事例を直に調査する形態ではない研究方法に移行することも検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
上述のとおり、2020年度は新型コロナウイルスによる活動自粛が続いており、多人数が集まる神社での祭典が中止となるなど、実態把握のための参与観察やヒアリング調査を行うことが難しい状況にあった。このため、旅費やヒアリング協力者への謝金として見積もっていた予算が未使用となったことが、次年度使用額が生じた主な要因である。 次年度使用額については、新型コロナウイルス感染拡大の終熄を見計らって、現地調査のための旅費、ヒアリング協力者への謝金として使用する。あるいは、引き続き遠隔地域への調査が難しい状況が続く場合は、徳島県内、四国圏域の協力が得られる神社における実践を取り入れた研究へと移行し、非居住者による地域活動の展開を促す催事を企画、その実施費用に充てることも視野に入れる。
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