民間企業が公共空間の整備に参入していく風潮に対して、本研究成果は、具体的に何をデザインの拠り所にしていけばよいかを多角的に検討したものである。そのために、公共的効果をもたらす風景について「公共景」というキーワードを与えながら、実現されている風景だけでなく人びとの認知、また整備主体の取り組みなど、風景とそれを実現させるシステムの全体像を捉えた。2022年度は都市開発を行っている複数の民間企業との議論を重ねることによって、開発者側の実情に沿いながらも、公共的環境を実現していく方向性を模索するという、研究と実践の橋渡しを行うことができた。
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