研究発表としては、令和3年度に実施した東京、京都での現地調査・資料調査の成果を用いて、近現代における全7件の大喪儀(英照皇太后大喪儀、明治天皇大喪儀、昭憲皇太后大喪儀、大正天皇大喪儀、貞明皇后大喪儀、昭和天皇大喪儀、香淳皇后大喪儀)の際に建設された仮設建築群の儀礼後の譲与・転用の実態について検証し、論文として発表した(「近現代の大喪儀における儀礼建築の譲与と転用に関する研究(その1):大正記念館建設にいたるまで」『日本建築学会』 87巻801号 2022年11月、および「近現代の大喪儀における儀礼建築の譲与と転用に関する研究(その2):大正記念館と翔天亭の再建を中心に」『日本建築学会』 88巻807号 、2023年5月掲載決定)。 また、令和3年度に実施した京都、大阪での現地調査の成果を用いて、内国勧業博覧会の会場における天皇の儀礼空間について検証し、研究発表を行った(「近代の博覧会における天皇の儀礼空間 ―― 会場計画と式場建築に注目して」万博学研究会、JCIIビル[東京]、2022 年 8月27日)。 大阪・京都以外の地方都市での調査に関しては、令和3年度まではコロナ禍の影響で実施することができなかったが、今年度は、大正5年と昭和31年に皇太子の行啓先となった佐渡での現地調査を実施した。具体的には順徳天皇火葬塚、真野宮、黒木御所跡などを訪れ、行啓記念碑や植樹に関する現地調査を行った。
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