研究課題
推力密度の向上には排気イオンの発散半角を低減することが重要な設計指針の一つである.そこで,Faradayプローブを用いて発散磁場下流でのイオン流束分布を測定し発散半角を算出した.静電・電磁複合加速においては加速されたイオンの排気方向は電場および磁場構造の影響をそれぞれ受けると予想され,特に発散半角は推進機下流の磁場構造に強く依存すると予想される.取得したイオン流束ベクトルは磁力線に沿った分布となっており,本結果に基づけば,緩やかな発散磁場構造とすることで発散半角を低減できる可能性を示唆するものである.さらに推進機出口からの距離に応じて発散半角も変化しており,イオン源を点源で近似した従来の発散半角評価手法について,測定位置と推進機出口径との関係に基づいた角度評価が必要であることも明らかとなった.また,推進剤利用効率(供給した推進剤流量に対する排気イオン流量の比率)は100%を上回っていたことからも多価イオンの生成が見込まれた.
すべて 2021
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Journal of Applied Physics
巻: 130 ページ: 223303~223303
10.1063/5.0066083