研究課題/領域番号 |
20K14990
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研究機関 | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 |
研究代表者 |
佐々木 優二 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 建築研究本部 北方建築総合研究所, 研究職員 (50804845)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 移住 / 定住 / 関係人口 / シミュレーション / 呼び込み力 |
研究実績の概要 |
本研究では呼び込み力を「住民がその地域での暮らしの様子を伝えることで新たな移住者を呼び込む誘因力」と定義し、関連する既往研究レビューを行なった。移住要因には、移住先との人的な接触が大きな影響を与えていること、また、行政の情報発信のみならず、個人的なレベルでの口コミによる情報提供者や仲介者の存在が必要になることを整理できた。これらのレビューから、呼び込み力はプル要因であることを整理した。 エージェント・ベース・モデルによる呼び込み力のモデル化に向け、旭川市西神楽地区の移住者を対象にアンケート調査を行なった。その結果、気に入った土地が購入できたことや西神楽の景観、仕事に関することが移住要因になることを把握した。これらの要因を考慮して、次年度以降に開発するモデルに組み込む予定である。また、西神楽の移住者にも「呼び込み力」を持つ住民がいることが明らかになった。 呼び込み力のモデル化として、単位年当たりの呼び込み力が影響した移住者数を推計するシミュレーションを東川町を対象に試みた。シミュレーションには、感染症拡散を表現する感染症伝播モデルを用いた。このモデルは、デマ情報の拡散といった情報伝達の分析にも応用されており、本研究でも活用できると考えた。シミュレーションで用いたパラメータは、先行研究で取得したデータを用いた。シミュレーションの結果、地域住民より地域内事業者との人的接触を相対的に高くすることで、呼び込み力が影響した移住者数の増加に寄与することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
呼び込み力のモデル化のため、移住者へのインタビュー調査を複数計画していたが、COVID-19感染予防の観点から、実施数を削減した。
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今後の研究の推進方策 |
呼び込み力のモデル化は、昨年度に開発したモデルの高精度化を行なう。またインタビュー調査については、COVID-19感染予防に配慮し、Webを用いた調査など、方法を見直すことで研究計画を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
【次年度使用額が生じた理由】Covid-19の影響で、当初計画していたインタビュー調査がほとんど実施できなくなり、それに伴って、実施を検討していたアンケート調査も実施困難となった。 【使用計画】今年度はCovid-19の影響をできる限り小さくするため、①Webを用いたインタビュー調査および②Webでのアンケート調査を実施することで、研究計画の推進を目指すこととした。
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