研究課題/領域番号 |
20K14994
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
肥田 拓哉 青山学院大学, 理工学部, 助教 (70748326)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 作業姿勢 / OWAS / 人間工学 |
研究実績の概要 |
本年度の計画である「各関節の2次元座標を入力情報、OWAS(Ovako Working posture Analysing System)に基づく姿勢コードを出力情報とする機械学習モデルの作成」を実現するために、(1)各関節の2次元座標を取得する方法の検討、(2)各関節の3次元座標を取得するための被験者実験の実施、(3)各関節の3次元座標(実空間座標)から2次元座標(画像座標)への変換、(4)機械学習の実施を進めた。 (1)に関して、当初予定していたDLT法を用いて、実空間の3次元座標から画像上の2次元座標を取得する方法を採用した。(2)に関して、被験者10名にOWASに基づいた60姿勢を3回とらせる実験を実施し、モーションキャプチャシステムにより各関節の3次元座標を取得した。(3)に関して、(2)で取得した各関節の3次元座標を(1)の方法で処理することにより、画像上における各関節の2次元座標を取得して、学習データとした。(4)に関して、当初予定していたk近傍法(k=1)だけではなくサポートベクターマシン(RBFカーネル)も用いて、機械学習モデルを作成した。その結果、サポートベクターマシンを用いて作成した機械学習モデルのほうがk近傍法を用いて作成したモデルよりも姿勢コードの予測精度が高く、予測したOWASに基づく姿勢コードから算出したAC(Action Category)の一致率は8割を超えた。 以上のように、画像上の各関節の2次元座標からOWASに基づく作業姿勢の評価を実施する方法を確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は計画していた通り、「画像上の各関節の2次元座標を入力、OWASに基づいた作業姿勢の評価を出力とした機械学習モデルの作成」を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究については、当初の計画に沿って「本提案方法の実用を想定した対応」と「姿勢評価システムの開発」を進める予定である。 姿勢評価の対象となる作業者が写った画像については、被験者実験時の撮影条件とシステム実用時の撮影条件が異なることで、OWASに基づく姿勢コードの予測精度が低くなることが想定される。具体的には、①撮影距離や画角の違い、②撮影方向の違い、③画像中の作業者位置の違い、④作業者の関節位置の遮蔽である。この対応としては、①2次元座標のスケーリング、②全方向および方向別の機械学習モデルの適用、③特定の関節による2次元座標の正規化、④目測による遮蔽部のデジタイズ精度の検証を実施する。 システムの開発については、カメラによる作業者の画像撮影、撮影者による撮影画像のデジタイズ、機械学習モデルによる姿勢コード予測およびAC算出の3つの要素を含むソフトウェアとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)データ計測および分析に使用するデスクトップPCや被験者実験に使用する設備に充当する予定であったが、別の設備で代替したため。 (使用計画)システムの実用を想定した実地でのデータ計測を実施する設備の購入、システム開発用ノートPCの購入、システム実施用のタブレットの購入に充当する予定である。
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