研究課題
若手研究
東日本大震災における宮城県での人的被害実態解明を目標として,同災害における宮城県での犠牲者情報を用いて死因に着目した研究を推進した.犠牲者の位置情報として遺体発見場所を採用したことで,より実際的な犠牲者分布に基づいた各死因の特徴が明らかになった.本研究の成果は,同災害の人的被害実態解明に貢献し,各死因の特徴を踏まえた津波防災・減災対策の実現可能性を高めたことである.
津波防災・減災
本研究の学術的価値は,これまで防災・減災分野の研究では考慮されていなかった死因を踏まえ犠牲者情報分析を行い,その特徴を明らかにした点である.このような被害実態を踏まえた対策の検討は,我が国の防災・減災を深化する上で重要である.例えば,低体温症犠牲者に関する分析では,研究により明らかになった知見を踏まえて,低体温症リスク想定フロー,低体温症リスクチェクシートのツールを開発し,研究成果の社会実装に貢献した点は,本研究の社会的意義を示している.