本研究により,洪水氾濫数値解析と衛星画像解析を統合して,浸水した建物を高精度で判別するシステムを構築した.また,洪水氾濫数値解析の結果を用いて水害廃棄物発生量を推定する際の課題を明らかにした.浸水建物判別に関しては,平成30年7月豪雨で広範囲で浸水した岡山県倉敷市真備町を対象に研究を進め、従来の手法と同等の8割程度の精度で浸水建物を検出できることを示した。水害廃棄物推定に関しては,平成30年7月豪雨で被害を受けた山形県を対象に研究を進め,既存研究により推定された水害廃棄物発生量に比べて数値解析による推定値が過大になる傾向が見られた。
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