研究課題
本研究は,災害時の危険因子(本研究では煙)がある場合の心拍数,血圧を計測することで,危険因子の度合い(本研究では煙濃度)に応じた避難挙動と情動(上から順にAnxious,Fear,Stress,Small stress)を明らかにし,定量化することを目標とし,模型トンネルにて実験を行った.Proulx(1991)の危機事態の意思決定モデルと,これまでの報告から,Stressによって,正常性バイアスを発生し,FearによってFreezeやShock反応を示し,Anxiousによって,Get lostを引き起こし,最終的にConfusion状態から,正確な意思決定ができず避難できなくなるとしている.そこで,本研究では,Anxious,Fear,StressとOtherとして分類し,避難時の情動の変化を調査した.被験者は2021年実施分で147名(内日本人132名,中国人15名),2022年実施分で46名(留学生42名,日本人4名)で,結果の一部を国内学会(1回)・国際会議(1回)にて発表した.また,学内留学生による計測で,国籍による違いを明らかにし,国内学会で発表した(2回).AIに危険因子とストレスの相関を学習させることで,スマートウォッチ(心拍数の計測)とスマートフォンを連携させ,避難者へのストレス緩和を促すようなアナウンスの実施や,IoTを用いてスマートウォッチと非常用設備の連携から,冷静な避難行動を促す誘導(例えば誘導灯の色を変化させる,点滅速度の変化で冷静かつ迅速な心理バランスの制御)の実現に向けて,それぞれの情動から心拍数,煙濃度,歩行速度を構造方程式モデリングにて,因果構造を明らかにし,機械学習の基礎データ解析を行った.まず第一弾として煙濃度と歩行速度曲線を国際誌2編に投稿,掲載された.次に情動箇所について国際誌に投稿予定である.
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
Tunnelling and Underground Space Technology
巻: 133 ページ: 104939~104939
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Journal of the Chinese Institute of Engineers
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