研究課題/領域番号 |
20K15009
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研究機関 | 八戸工業高等専門学校 |
研究代表者 |
今野 大輔 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (00825325)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 金属屋根 / 動的荷重 / 経年劣化 / 窓ガラス |
研究実績の概要 |
本研究では,強風災害時に顕著な被害を受ける木造住宅の屋根部を対象として,破損被害 の進行の過程・メカニズムを実物大実験・数値解析により明らかにし,既存の建物が持つ屋根部の耐風性能,破損危険度を評価する仕組みの開発を目的としている。 特に,「部材の経年劣化」に着目し,築年数が経過した住宅における強風災害危険度の明示が可能となる手法の開発を目指す。強風災害危険度検討対象とする部位は,申請者が過去に行った強風被害調査で顕著な被害が見られた屋根-壁接合部,屋根葺き材,及び,一連の被害の起点と考えられる窓ガラスである。それらの部材を対象として,屋根の葺き材の種類,勾配,部材構成,築年数,建物配置といった個々の建物条件をパラメータとし,強風災害危険度評価を行う。 当該年度では,研究実施フェーズ1の「動的荷重効果を考慮した実物大耐力実験による屋根部の破損メカニズムの解明および耐力情報の拡充」のため,実験の準備を進めた。新型コロナウイルス感染症の影響により実験環境の整備に遅れが生じたため,実験の実施には至らなかったが,今年度実施予定である。 また,実験フェーズ2の「既存の住宅から取り出した部材(屋根接合部,窓ガラス)を用いた実験に基づく経年劣化の影響の把握」として,既存の建物から取り出した窓ガラスの残存耐力評価実験(リング曲げ試験)を実施した。築40年を超える学寮建物から取り出した窓ガラスは,既往研究の新品窓ガラスの耐力と比べて8割程度低下していることが確認できた。これらより,経年劣化が窓ガラス耐力に与える影響が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により実験環境の整備に遅れが生じ,実験実施が遅れている。昨年度準備を進めたので,今年度実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,屋根接合部を対象とした疲労評価実験,および,新品窓ガラスを対象とした耐力評価実験の2つの実験を実施予定である。それらの準備は進めているので問題なく実施できる。 それらの実験結果に基づき,「住民にわかりやすい強風災害危険度評価手法の開発」を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により予定していた出張がオンラインになるなど,旅費の面で未使用額が生じた。その分は,次年度の発表の為の出張および,別途の追加実験の費用とする予定である。
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