研究課題
若手研究
本研究では、原子スケールでの電磁場観察を行える微分位相コントラスト法をシミュレーション手法と組み合わせることで化学結合電子の可視化手法の開発を行った。微分位相コントラスト法の結像理論を構築し、実験データを再現する電子分布を反復シミュレーションにより求めるアルゴリズムを開発した。ノイズのないシミュレーションデータをテストデータとしてアルゴリズムの検証を行い、実際の実験データにも適用を行った。今後局所領域における化学結合の可視化への応用が期待される。
電子顕微鏡法
材料の特性は、しばしば界面などの局所領域において発現する。走査透過電子顕微鏡法はこれまで局所領域における原子配列の観察に用いられてきたが、触媒や電気物性などの材料物性は、原子配列のみならず電子の分布に依存するため、電子分布を明らかにする手法開発が求められてきた。本研究で開発した手法を用いて局所領域の電子分布を明らかにすることで、材料研究が加速すると期待される。