研究成果の概要 |
本研究では,Ag3P6Si3Sn2等のAg(銀)-P(リン)化物のフォノン輸送メカニズムを,実験と理論計算を協奏的に駆使することで詳細に明らかにし,低い格子熱伝導率の材料設計指針の確立を目指した. Ag-P化物 Ag3P6Si3Sn2, Ag3SnP7, AgP2は,いずれも,結晶中のAg原子が大きなフォノンの非調和性を示すことで,強いフォノン-フォノン散乱を引き起こし,室温で極めて低い格子熱伝導率を示すことを,実験と理論の両面から明らかにした. 本研究成果により,熱電変換のみならずフォノンエンジニアリングの観点から,Ag-P化物という新たな候補物質群の提案に成功した.
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