近年、レーザやLEDなど固体発光素子の高出力化に伴って、高い励起密度下でも輝度飽和しない蛍光体の開発が求められている。本研究では、蛍光体の発光寿命の短い5d-4f遷移で発光する蛍光に着目し、励起強度が増加した際に、規定準位の電子が枯渇しにくい系の開発に取り組んだ。本研究では、電気陰性度が酸素よりも小さいハロゲンおよびカルコゲナイドを含んだ新物質を探索し、発光波長の長波長化を狙った。その結果、単アニオン化合物では見られないような特異な配位環境を持つ新規層状化合物を発見した。これらの化合物は配位環境を利用した蛍光体応用だけでなく、バンド制御による光触媒応用やイオン電導など幅広い応用が期待される。
|