本研究は、X線回折測定で通常用いられている粉末や単結晶だけでなく、バルク材料を用いて、高精度な結晶相解析を行う手法の確立を目的としている。具体的には、(1)バルク材料の利点を活かした測定手法の開発、(2) 回折データの信頼度の低下の要因となる粗大結晶粒の寄与を軽減した解析手法の確立を目標とする。その結果、(1)バルク材料を固定するための治具を開発・改良し、石英キャピラリとバルク試料の高温接触反応を抑制した回折データの取得と、(2) X線照射位置や試料の回転方向の自由度を活かし、多数の2次元回折データを取得・統計処理を行うことで、粗大粒の影響を軽減した信頼度の高い回折データの取得に成功した。
|