本研究では,(1)生分解性ポリマーを含む膜の試作,(2)液体高速噴射による表面処理システムの検討を行った.(1)では,純Mg基板上に有機物を含む防食膜を形成可能か検討するため,生分解性ポリマーであるL-アスパラギン酸を用いた水熱合成法により成膜実験を行った.その結果,被膜成分の中に,L-アスパラギン酸に由来する窒素(N)が検出された.(2)では,2種類の方法を検討した.1つは,金属容器内の溶液を加熱して発生した高圧蒸気をMg合金基板に噴射する方法,もう1つは水蒸気環境下にてMg合金基板を加熱することで被膜形成を促す方法である.後者の方法では,基板上に被膜成分と推測される結晶が確認された.
|