研究課題/領域番号 |
20K15069
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26060:金属生産および資源生産関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
LU XIN 東北大学, 工学研究科, 助教 (00781452)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | レアアース / リサイクル / 溶融塩電解 / ネオジム磁石 / 資源保全 / 電気化学 |
研究成果の概要 |
廃棄ネオジム(Nd)磁石中からのNdを塩化物系溶融塩電解浴によりNd-Fe合金として回収するため、諸電気化学因子の影響を解明した。1073KのLiCl浴において、廃棄Nd磁石中のNdの溶解電位は他の主成分よりはるかに負の-2.9V(塩素基準電位)であり、電解する際、Ndが優先的に溶解し、浴中に分離することが明らかにした。塩化物系において、Ndイオン(Nd(III))の還元反応は、二段階反応であるが、フッ素イオンの添加によって、一段階反応になる傾向があることを明らかにした。さらに、電解浴中の鉄イオン初期濃度と供給速度の制御によりNdをNd-Fe合金としての回収を可能とした。
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自由記述の分野 |
金属リサイクル
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ネオジム(Nd)磁石は電気自動車などの各種工業製品に必要であるが、現在Ndの安定かつ持続的な供給が懸念されている。Ndの潜在的な供給危機への対策として、本研究では、低温操業・低環境負荷の塩化物浴を用い、微小電圧での廃Nd磁石の溶融塩電解回収法による新規Nd回収プロセス開発を行った。本研究により、(1)電解浴中のNdイオンの電気化学挙動を解明し、(2)溶融塩におけるレアアースイオンの電位化学挙動に及ぼすカチオンの影響の知見を得た。開発したプロセスは廃Nd磁石中のNdをNd-Fe合金として回収するため、安価で低環境負荷のNd回収が可能となり、産業にとって大きな貢献となる。
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