包接化に利用可能な環状分子(Cucurbit[7] uril: CB7)をモデル化合物として、多成分結晶粒子群の晶析条件と得られる固相の特性の関係を調査した。 CB7と水から成るCB7水和物の場合、結晶化時の温度や溶媒(水)の量に応じて析出する固相が非晶質や結晶に変化することを見出した。さらに、非溶媒添加晶析にて析出する固相特性をXRDやDLSで分析した結果、非溶媒の添加比率が10%以下では結晶特有の明確なピークや粒子成長が観察され、相図上にてCB7水和物が結晶粒子群として析出する領域を見出した。以上より、多成分結晶の一つであるCB7水和物を結晶粒子群として製造するための晶析条件を獲得した。
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