ソフト多孔性錯体およびそのゲート吸着挙動は,現行の吸着分離プロセスを飛躍的に効率化し,環境・エネルギー問題に大きく貢献することが期待されている新規物質群である。しかし,工業利用するためには,粉末状の材料を何かしらの方法で成形する必要がある。ステップ状の吸着応答こそが,Soft MOFの優れた分離性能の根源たる性質であることに鑑みると,それが成形によって失われてしまう本緩慢化現象は解決すべき重大な課題であり,そのメカニズム,およびそれに基づいた解決策を明らかにした本研究の学術的・社会的意義は大きいと考える。
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