研究課題
若手研究
粒子を含む液滴が蒸発した後にリング状の集積物が残る現象(コーヒーリング現象)を抑制する方法の確立を目指して実験と数値シミュレーションによる検討を行った。実験により、粒子を凝集させることがリング状の粒子堆積に対して一定の抑制効果をもつことを明らかにした。また、凝集体の形成が粒子膜形成時に起こるひび割れの抑制にもつながることを見出した。独自に開発したシミュレーション技術により、凝集体を形成した粒子の運動性が低下することで粒子の密な充填が抑制され、疎らな構造形成につながることを明らかにした。
化学工学
粒子を含む液体を乾燥させて粒子膜を得るプロセスにおいて、コーヒーリング現象は普遍的に生じる問題である。そのため、本研究で得られた知見は化学工業分野だけでなく、食品や医療・バイオといった幅広い分野で利用することができる。また、開発したシミュレーション技術は本研究に限らず, 固-気-液の三相系に関する様々な複雑現象を解明するための手段として用いることが可能である。