これまでミセルやベシクルといった自己集合体は疎水性物質を封入可能であることから薬剤カプセルや有機合成における反応場としての応用が検討されてきたが,これら自己集合体の特性に着目して応用を検討した研究はあまりない.本研究では,構造依存的な特性に着目し,位置選択性を有する反応場としてベシクルの応用を検討した.その結果,位置選択性は確認されなかったが,封入した分子の局在性は制御できることが明らかとなった.この局在性の制御はミセルと比較してより安定なベシクルの構造が寄与していると考えられる.この知見をもとに,ベシクルのより幅広い応用が期待される.
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