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2021 年度 実績報告書

要求駆動型合理的蛋白質設計技術が切り拓くナノ分子標的薬の創製

研究課題

研究課題/領域番号 20K15096
研究機関大阪大学

研究代表者

二井手 哲平  大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (20802705)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードタンパク質工学 / 分子標的薬 / 計算科学
研究実績の概要

本研究では、低分子医薬品から成る有機ナノ結晶とがん抗原認識抗体を組み合わせることで、高濃度の薬剤を疾患患部特異的に送達できる新しい医薬フォーマットの開発に取り組んでいる。本年度は主に、前年度取得した薬剤ペプチドを移植する足場タンパク質の選定と安定化に取り組んだ。
まず、足場として用いるタンパク質を選定した。足場タンパク質の選定条件として、単量体であること、サイズが小さいこと、ジスルフィド結合を含まないこと、熱安定性が高いことを条件に5種類選抜した。大腸菌発現システムにより調製した天然型の足場タンパク質を調製し、収率や安定性を事前に調査した。Rosettaソフトウェアを用いてこの足場タンパク質のループ構造部位にペプチドを移植した。この際、連結部位の両端2残基を任意のアミノ酸となるように自由度を持たせて移植を実施した。ペプチド移植後のタンパク質について、タンパク質構造の安定性を示すスコアであるRosetta total energy (REU) を指標に設計したタンパク質を選抜した。このタンパク質を大腸菌発現系で発現させたところ、足場タンパク質のうち幾つかは発現量が大幅に低下することが分かった。発現したものについては、薬剤結晶との相互作用を解析し、選択的な結合能を保持していることが分かった。発現量が低下したものについては、安定性向上を目指し、Rosettaソフトウェアで更に改良することとした。配列保存度情報である位置特異的重み行列を変異制限パラメータとして、Rosettaソフトウェアで変異体を作成した。REU値の低かった上位5個の変異体を解析すると、天然型に比べREU値が低く、安定化していることが示唆された。この上位5個の変異体について、ウェット実験で評価したところ、全ての変異体で発現量の改善が確認できた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] ノースカロライナ大学チャペルヒル校(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      ノースカロライナ大学チャペルヒル校
  • [雑誌論文] 材料表面を認識するペプチド・タンパク質から発想するハイブリッドナノアセンブリ2022

    • 著者名/発表者名
      梅津光央、中澤光、二井手哲平
    • 雑誌名

      バイオインダストリー

      巻: 39 ページ: 27-34

  • [雑誌論文] Acceleration of target production in co‐culture by enhancing intermediate consumption through adaptive laboratory evolution2021

    • 著者名/発表者名
      Kawai Ryutaro、Toya Yoshihiro、Miyoshi Kenta、Murakami Manami、Niide Teppei、Horinouchi Takaaki、Maeda Tomoya、Shibai Atsushi、Furusawa Chikara、Shimizu Hiroshi
    • 雑誌名

      Biotechnology and Bioengineering

      巻: 119 ページ: 936~945

    • DOI

      10.1002/bit.28007

    • 査読あり
  • [学会発表] 機械学習を活用したリンゴ酸酵素の補酵素特異性変換2022

    • 著者名/発表者名
      杉木創、二井手哲平、戸谷吉博、清水浩
    • 学会等名
      化学工学会第87年会
  • [学会発表] 補酵素特異性改変を目指した合理的酵素設計プロセスの開発2022

    • 著者名/発表者名
      宮脇佳汰、二井手哲平、戸谷吉博、清水浩
    • 学会等名
      化学工学会第87年会
  • [備考] 大阪大学情報科学研究科清水研究室

    • URL

      http://www-shimizu.ist.osaka-u.ac.jp/hp/index.html

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公開日: 2022-12-28  

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