抗体医薬と低分子医薬を化学修飾により組み合わせた抗体-薬物複合体(ADC)は、様々な疾患に対し副作用の無い医薬品として注目を集めているが、抗体の失活や不溶化が原因となり、高い確率で臨床試験以前で脱落してしまう。それに対し我々の目指したナノ分子標的薬は、これまでに無い新しい分子標的薬であり、学術的意義は大きい。さらに、このナノ分子標的薬で用いる人工タンパク質は、分子標的機能と薬剤ナノ粒子表面に結合する二つの機能に限定した低分子量タンパク質であるため、バクテリアで調製でき、薬価を大きく低減させることが期待できる。以上より、将来に向けた新しい創薬モダリティとして期待できる。
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