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2021 年度 実績報告書

幹細胞移植用担体を指向した生体内模倣材料の環境場設計

研究課題

研究課題/領域番号 20K15104
研究機関佐世保工業高等専門学校

研究代表者

森山 幸祐  佐世保工業高等専門学校, 物質工学科, 講師 (30814313)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード高分子ハイドロゲル / 細胞包括 / 酵素反応
研究実績の概要

本研究では長期的に間葉系幹細胞の生存率を維持することが可能な移植用担体の設計指針の確立を試みる。この目標を達成するため「生体適合性の高い材料を用いた、細胞包括可能な高分子ハイドロゲル」の作製を行った。具体的には高い生体適合性を示し、比較的安価なアルブミンをゲルの骨格分子として選択した。令和2年度は、架橋形成反応を触媒する酵素の基質を修飾したアルブミンゲル化剤を合成した。アルブミンに対する基質修飾量やゲル作製時の各成分濃度を変化させることで得られるゲルの諸特性が制御可能であることを確認している。また高分子水溶液のゲル化時間を評価した結果、合成したアルブミンゲル化剤が細胞包括に適した材料であることを示唆する結果が得られている。
最終年度となる本年度は、まず初めに生体内における分解性を評価するため、プロテアーゼによるゲルの溶解を試みた。その結果、アルブミンに対する基質修飾量がゲルの分解挙動に大きく影響を及ぼすことが確認された。走査型電子顕微鏡を用いてゲルの内部構造を観察した結果、プロテアーゼによる分解が遅い条件のゲルはより緻密な内部構造を有していたことから、架橋密度が高く、分子拡散が制限されてことが先述の結果に起因していると考えられる。最後に細胞包括実験を行った結果、細胞の生存を損なうことなく、アルブミンゲル内に細胞を包埋することが可能であった。以上の結果から、合成したアルブミンゲル化剤が細胞包括材料として利用可能であることが示唆された。
以上、本研究では温和な酵素反応を架橋形成反応として利用することで細胞包括に利用可能なアルブミンゲル化剤を合成することに成功した。得られた成果は国内学会において5件、国際学会において1件の発表を行い、当該分野での成果の共有に努めた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 酵素架橋性アルブミンゲル化剤の開発と細胞包括への応用2022

    • 著者名/発表者名
      森山 幸祐、井元 乃絵、二瓶 将暢、佐藤 美矩、佐藤 武史、後藤 雅宏、神谷 典穂
    • 学会等名
      化学工学会第87年会
  • [学会発表] 酵素触媒反応仲介型アルブミンゲル化剤の開発とその諸特性評価2021

    • 著者名/発表者名
      井元乃絵、森山幸祐
    • 学会等名
      第58回化学関連支部合同九州大会
  • [学会発表] ペルオキシダーゼ触媒反応を利用した天然高分子由来ハイドロゲルの作製2021

    • 著者名/発表者名
      井元乃絵、森山幸祐
    • 学会等名
      化学工学会 第52回秋季大会
  • [学会発表] 細胞培養基材としての応用を目的とした天然高分子由来ダブルネットワークゲルの作製2021

    • 著者名/発表者名
      髙橋 奈々、森山 幸祐
    • 学会等名
      化学工学会 第52回秋季大会
  • [学会発表] Preparation and characterization of hydrogels derived from natural polymers using enzyme-catalyzed reactions2021

    • 著者名/発表者名
      Noe Inomoto, Kousuke Moriyama
    • 学会等名
      6th STI-Gigaku
    • 国際学会
  • [学会発表] 細胞包括への応用を目的とした酵素仲介型アルブミンゲル化剤の開発2021

    • 著者名/発表者名
      森山幸祐、井元乃絵
    • 学会等名
      日本バイオマテリアル学会九州ブロック学術講演会

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公開日: 2022-12-28  

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