本研究は,代表者が世界に先駆けて発見したセリウム導入層状ペロブスカイトに対して,その物質系の拡張と,従来の層状ペロブスカイトにはなかったレドックス特性を発現させることを目的としたものである。結果として,ペロブスカイト層を剥離したアニオン性[Ce(III)Ta2O7]-を合成し,それを化学的に酸化することで誘導される電荷中性な[Ce(IV)Ta2O7]ペロブスカイト層の創成に成功した。 これは,従来の層状ペロブスカイトにはない,レドックス能を最大限に引き出すことで達成されたもので,「レドックス性層状ペロブスカイト」という新しい物質系を構築したといえる。
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