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2021 年度 実績報告書

C11b-Cr2Alに対する磁気転写によるNeelスピン軌道トルク評価法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 20K15109
研究機関大阪大学

研究代表者

豊木 研太郎  大阪大学, 工学研究科, 助教 (90780007)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード規則合金 / 磁気抵抗効果
研究実績の概要

本研究では,反強磁性体のスタガード磁化の制御を目指し,C11b構造を有するCr2Alに着目している.前年度までに,50 nm程度の薄膜において,高クオリティなC11b構造の作製条件を明らかにした.
本年度は,まずスタガード磁化制御において重要な更なる薄膜化に取り組んだ.10 nm程度の薄膜領域では,50 nm程度の比較的高膜厚領域と比べると,製膜において蒸気圧の高いAlが再蒸発の寄与が大きく組成制御が難しいことが明らかになった.結果として,前年度までに得られた50 nm薄膜に比べて,低温での製膜が必要であることがわかった.したがって,薄膜領域での高規則度化に関しては,基板温度を600 ℃程度のAl蒸気圧が十分低い領域に保ち,後に熱処理を行うことが適切であると考えられる.
加えて,スタガード磁化の電気抵抗による検出およびC11b Cr2Alの磁気モーメントの向きに関して検討するため,強磁場印加下での磁気抵抗効果測定にも取り組んだ.C11b Cr2Alの異常磁気抵抗効果の成分は磁気抵抗比にして0.01%程度であった.また,磁気抵抗比は磁場方位の回転対して,2回対称であった.先行研究において,C11b Cr2Alの磁気モーメントの向きとして,c面内にあるというものとc面内からやや傾いているというものがあるが,このうち前者を支持する結果となった.
以上の結果に関しては,追加実験の後,論文投稿の予定である.また,第45回 日本磁気学会学術講演会において,前年度の成果に加える形で成果発表も行った.以上の結果に加えて副次的に得られた室温近傍で製膜を行ったBCC Cr-Alに関する結果に関しては論文発表を行った.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Dominant carrier of pseudo-gap antiferromagnet Cr3Al thin film2021

    • 著者名/発表者名
      Toyoki Kentaro、Hayashi Masayuki、Hamaguchi Shunsuke、Kishida Noriaki、Shiratsuchi Yu、Ishibe Takafumi、Nakamura Yoshiaki、Nakatani Ryoichi
    • 雑誌名

      Physica B: Condensed Matter

      巻: 620 ページ: 413281~413281

    • DOI

      10.1016/j.physb.2021.413281

  • [学会発表] C11b Cr2Al薄膜の結晶構造評価とNeel温度の決定2021

    • 著者名/発表者名
      豊木研太郎
    • 学会等名
      第45回 日本磁気学会学術講演会

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公開日: 2022-12-28  

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