反強磁性体のスタガード磁化はTHz領域で動作可能であり,次世代メモリへの応用が見込まれる.これを見据え,デバイス応用に必須となる,薄膜系におけるC11b Cr2Alの作製条件および,その磁気物性の検討を行った.その結果,高品質なC11b Cr2Al相の生成には873 K以上の温度,組成として27-33at.%-Alの範囲内が必要なことがわかった.また,一方で結晶の規則度のNeel温度への影響は小さいことがわかった.磁気抵抗効果測定を通じて,磁気異方性に関して検討を行った.その結果,C11b Cr2Al薄膜の磁気モーメントはc面内にある可能性が高いことがわかった.
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