薄膜成長の起点である下地基板に着目し、独自の表面加工技術を駆使して単結晶基板全面に原子レベルで粗さ・欠陥が排除された完全結晶表面を作製し、物性劣化が究極に抑制された極薄膜成長をマグネタイト(Fe3O4)薄膜で実証した。完全結晶表面化した下地基板(MgO(001))では欠陥密度が従来の1/1000以下であり、その上に成長させたFe3O4極薄膜(膜厚50 nm)は今まで実現不可能であった明瞭なフェルベー転移特性を発現した。さらに、基板全体に集積的に作製したFe3O4チャネル試料で統計評価を行ったところ、チャネル歩留まりを大幅な向上(0%⇒79%)が確認でき、薄膜研究の共通課題の解決策を示した。
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