Ge(110)-16×2構造上に周期配列するステップに沿って長いグラフェンナノリボン(GNR)を合成することを目的とした。まず、Ge(110)表面を[1-10]方位へ僅かに傾斜させることで16×2構造の周期配列ステップの方位の決定を達成し、この構造形成過程を観測することで16×2構造の形成機構を明らかにした。次に、Ge(110)-16×2上にGNRの前駆体分子を蒸着すると秩序構造を形成することを明らかにしたが、ここから長いGNRが得られなかった。これは前駆体分子の方位に起因すると考えられるため、Au基板上で前駆体分子の方位とGNRの成長方位の関係を明らかにし、GNRの成長方位制御の指針を得た。
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