研究課題
若手研究
カルシウムイオン濃度に応答する遺伝子発現機構について研究を進めた。この機構は、DREAMと呼ばれる哺乳類細胞内に存在するタンパク質を中心としたものである。このタンパク質は、カルシウムイオン非存在下で、ゲノム上のDRE配列に結合することにより、下流の遺伝子発現を抑制する。一方で、カルシウムイオン存在下において、DREAMはDRE配列から解離し、遺伝子発現は再活性化する。本研究では、再構成系を用いて、DRE配列を有するDNAとDREAMタンパク質の相互作用について検討を行った。
合成生物学
カルシウムイオン濃度に応答する遺伝子発現機構を人工細胞内で利用する際の指針が示された。匂い受容体の中には、匂い受容の際に陽イオンを細胞内に取り込むことにより情報伝達を行うものがある。このような匂い受容体を人工細胞に搭載した際には、陽イオンの一種であるカルシウムイオンも同時に人工細胞内に取り込まれると考えられ、本研究で得られた知見と組み合わせることにより、匂い応答可能な人工細胞を実現できると期待される。