研究課題/領域番号 |
20K15151
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
亜力坤 亜夏爾 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (30735064)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 微細加工 / ドーム構造 / 石英ガラス構造 / ガラス構造 |
研究実績の概要 |
これまでの研究では、①ガラス基板上に浅い微小なくぼみを形成する、②カバーガラスを重ねて仮接合し閉じた微細空洞を作る、③吹きガラスの原理を利用して、周囲を真空引きしながら加熱することで空洞中の空気を膨張させる、④ゆっくり冷却するという手順により、設計した寸法通りにガラス微小ドーム構造を形成できることを実証した。 また、加工条件によるガラスドーム構造形状変化を調査し、各パラメータと形状変化の関係性を明らかにした。加工プロセスの順番がガラスドーム構造形成に与える影響を明らかにした。材料によって、複数段階の加熱温度・徐冷プロセスの時間分配などを明らかにした。さらに、薄板板ガラスとドーム構造の応用開拓も行った。例えば、厚さ100マイクロメートル(μm、1μmは1,000分の1mm)~250μmのガラス板を用いて、直径30μm~1mmのさまざまな種類の微小ドーム構造を作製し、そのまま使えば凹レンズ(縮小レンズ)、充填液を導入すれば凸レンズ(拡大レンズ)の機能を持つことを示した。また、高温条件下や酸・有機溶媒中でもレンズ機能は失われず、ガラスの性質が保たれることを確認した。さらに、ドーム構造に生体試料を導入し、試料の360度全方位の観察に成功した。最後に、石英板ガラスを用いた高精度の高透過度のドーム構造の作製を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響により、石英ガラスドーム構造形成のための高温ガス雰囲気電気炉の製造・輸送が遅れて、納品の遅延が生じた。さらに、緊急事態宣言または感染蔓延防止対策により、アルバイトの雇用が困難になり、予定していた応用開拓・調査実験などの実施が大幅に遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
計画通り、石英板ガラスを対象に高温ガス雰囲気電気炉を用いて下記の研究事項を行う。 1.石英ガラス材料の選定によるドーム構造の特性への影響を明らかにする。 使用される応用により、様々なガラス材料または違う厚みが採用されると想定できる。この場合、半導体分野で一番広く使われている石英板ガラス材料の特性は形成するドーム構造の形成特性、化学と物理特性への影響を定量化し、その関係性を明らかにする。 2.チャンバー形状による石英ガラスドーム構造の形状制御の可能性を調査する。 チャンバーの深さ、形状により、ドーム構造の高さ、形成形状の制御も可能だと思われる。 3.企業と一緒にサンプルの提供または量産の可能性について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
1.2021年の新型コロナウイルスの影響で購入したい装置の製造と発送が大幅に遅れため、次年度使用額が生じる。 2.新型コロナウイルスの影響で国際・国内の学会が中止され、旅費が使用できなくなった。次年度の学会を参加するため、次年度使用額が生じる。 3.新型コロナウイルスの影響で、アルバイトの雇用または実験など業務の実行が困難になり、計画していた実験の実施は来年度に実施することにしたため、次年度使用額が生じる
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