研究課題
若手研究
第一原理計算を用い,様々な触媒担体上でのサブナノクラスター触媒のダイナミクスやギ酸の(脱)水素化反応の触媒活性を調査した.特に,本研究課題では触媒担体として,触媒のアンカーサイトとなる欠陥や元素ドープを導入したMXeneやグラフェンに着目した.まず,これらのアンカーサイトの導入により,触媒の拡散や脱離が抑制でき,触媒の長寿命化が可能であることを明らかにした.また,サブナノクラスター触媒と担体の組み合わせによっては,バルク触媒を超える反応選択性を示すことを明らかにした.
材料科学
本研究課題で取り扱ったサブナノクラスター触媒は高い比表面積を有するため,重量当たりの活性サイトを増やし,貴金属の使用量を削減することができる.本研究課題で得られた知見に基づき最適な触媒担体を選択することにより省貴金属で安価な触媒が実現することで,有機分子を用いた水素貯蔵の低コスト化や大規模化が可能である.また,本研究課題で得られた触媒の安定性や担体効果に関するデータベースは,様々な触媒反応についても応用可能なものである.