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2020 年度 実施状況報告書

バンドフォールディングを利用した高効率硫化物基緑色発光ダイオードの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K15170
研究機関東京工業大学

研究代表者

半沢 幸太  東京工業大学, 科学技術創成研究院, 研究員 (30849526)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード半導体 / エピタキシャル成長 / 光電子物性 / カルコゲナイド / ペロブスカイト
研究実績の概要

本研究課題では、III-V族半導体をベースとした発光ダイオードが抱えるグリーンギャップ問題(緑色波長領域において発光量子効率が激減する課題)の抜本的解決を目指し、非結合性軌道とバンドフォールディングに着目した独自の化学的材料設計指針に基づき見いだされたペロブスカイト型硫化物半導体SrHfS3のエピタキシャル薄膜を用いたpnホモ接合を作製することで、SrHfS3の緑色発光ダイオード特性を評価することを目的としている。
本年度はSrHfS3エピタキシャル薄膜の作製プロセス最適化を行った。これまでAEeTMS3(AE=アルカリ土類金属、eTM=前周期遷移金属)における薄膜成長の報告は、二硫化炭素気流下でのアニール処理を用いたBaZrS3の多結晶薄膜作製のみであった。本研究では、高品質なSrHfS3多結晶焼結体をターゲットとしたパルスレーザー堆積法を用いることで、二次的なアニール処理による表面汚染を避け、清浄かつ平坦表面が実現出来るin-situでのSrHfS3薄膜の作製、さらにはそのエピタキシャル薄膜成長を試みた。その結果、基板温度とパルスレーザー強度といった薄膜成長条件を最適化することで、斜方晶構造を反映した2階の面内回転対称性を有するドメインが互いに90度ずつずれて成長するツインドメインのSrHfS3エピタキシャル薄膜を得ることに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の目標は、SrHfS3エピタキシャル薄膜の作製、および得られた薄膜試料を用いた発光や電気特性評価であった。その中で最も重要かつ困難なのは試料作製の部分であり、今年度はエピタキシャル薄膜の作製プロセスの確立と、その作製条件最適化および高品質化を成し遂げることが出来た。

今後の研究の推進方策

得られているSrHfS3エピタキシャル薄膜のフォトルミネッセンスやホール効果測定といった光電子特性評価を行う。さらに、多結晶体バルク試料において明らかにしているn型、p型ドーピング用の異種元素置換を行うことで、粒界や不純物の影響が少ない本質的な電気特性を評価する。n型とp型のSrHfS3エピタキシャル薄膜が実現出来れば、それらを用いたpn接合の作製も試みる。

次年度使用額が生じた理由

初年度はエピタキシャル薄膜の試料作製に時間をかけたことにより、購入を予定していた物性評価に必要な測定器をはじめとする備品購入が遅れたためである。今年度は電子特性評価装置などを導入することを予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Extraordinary Strong Band‐Edge Absorption in Distorted Chalcogenide Perovskites2020

    • 著者名/発表者名
      Nishigaki Yukinori、Nagai Takayuki、Nishiwaki Mitsutoshi、Aizawa Takuma、Kozawa Masayuki、Hanzawa Kota、Kato Yoshitsune、Sai Hitoshi、Hiramatsu Hidenori、Hosono Hideo、Fujiwara Hiroyuki
    • 雑誌名

      Solar RRL

      巻: 4 ページ: 1900555~1900555

    • DOI

      10.1002/solr.201900555

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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