本研究課題では、遅延干渉計によるレーザーの位相/周波数雑音測定の結果が基準レーザーを用いる従来手法のそれと同等であることを実証した。前者の手法は、自己参照方式であるため基準レーザーが不要という利点があり、レーザーの雑音特性評価における標準的手法となる可能性がある。これは、産業分野で求められている低雑音かつ安価なレーザーの開発を後押しするものである。また、本研究で達成した位相雑音測定系の高精度化は、光ファイバセンシングにおける変位測定の測定限界を改善することに応用可能であり、構造工学、航空宇宙、地球物理学、ナノテクノロジー等の分野で望まれている歪みや相対変位の検出感度向上にも貢献できる。
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