研究課題
1年目に続き、2年目においても感度をはじめとする特性の向上を目指し、あらゆる元素を賦活したアルカリ土類硫酸塩の合成を行った。なかでもSmを添加した場合に感度が優れており、放射線照射直後から発光強度が安定であり、20回程度繰り返し読み出しを行っても記録情報の劣化は認められなかった。また、記録された情報は熱処理により消去する事が可能である事が認められ、消去後も消去前と同様にX線照射に対するRPLを示す事が複数回繰り返し認められた。消去後の応答値は消去前と一致する事から、高い再現性を持つ事も同時に示された。また、同材料を用いる事により放射線イメージングが可能である事が実証された。一方、イメージ取得に必要とする線量は診断領域までには至らず、空間分解能の観点から課題が残るが、治療領域ではイメージの取得が可能であり、放射線治療における線量分布計測への応用の可能性が示唆された。さらに、アルカリ土類硫酸塩以外を母体とする材料についても検討を行い。SrAl2O4、BaAl2O4、NaCl、KCl、CaBPO5に希土類や遷移金属を賦活させたものにおいてもRPL特性が認められた。これまでにRPLを示す事が知られている材料の数は極めて少なく、現象理解や材料設計指針の構築が分野的に進んでいない。また、この事が新規応用開拓の大きな隔たりとなっている。本研究において数多くの材料を発掘する事ができ、今後のRPLを取り巻く研究のさらなる発展が期待される。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) 学会発表 (30件) (うち国際学会 8件、 招待講演 6件) 備考 (1件)
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http://gookadalab.com/